景品目当てのフォロワーを集めても、そのままお客さんになるとは限らない。
そのくらい、もうわかっている。
担当者も知っている。 提案する代理店も知っている。 たぶん、会議にいる全員が知っている。
それでも、来月の施策にはまた入っている。
「フォロー&いいねで、抽選でプレゼント。」
禁煙中の「今日だけ一本」に、少し似ている。
01.数字が動くと、少し安心する。
普段の投稿を考える。 撮影する。 編集する。 公開して、反応を見る。
手間をかけても、思ったように届かないことはある。 先月よかった企画が、今月もいいとは限らない。
その点、プレゼントキャンペーンには、参加する理由がはっきりある。
欲しいものがある。 応募する。 条件だから、フォローする。
数字が動けば、報告することができる。
「今月はフォロワーが増えました。」
間違いではない。 実際に、増えている。
ただ、その数字で少し安心したあとに、確認したいことがある。
増えた人たちは、何に興味を持って来たのだろう。
02.応募する理由と、見続ける理由。
プレゼントが欲しいことと、その企業の発信を見続けたいことは、別の話です。
応募のためにフォローした人が、その後、商品やブランドに興味を持つことはあるでしょう。
でも、それは応募条件に「フォロー」と書けば、自動的に起こることではありません。
キャンペーンが終わった翌日。 いつもの投稿が流れてきたとき。 その人にとって、見る理由があるか。
そこで必要になるのは、結局、普段の運用です。
何を届けるのか。 なぜ見続けてもらえるのか。 商品やサービスを選ぶ理由を、どう伝えるのか。
キャンペーンで一度数字が動いても、この宿題は残ります。
03.わかっていても、提案書に戻ってくる。
ここからは、仮説です。
キャンペーンに戻ってしまうのは、その効果を信じ切っているからとは限らない。
成果が読みにくい通常運用より、企画として説明しやすい。 実施する内容が明確で、応募数やフォロワー増を報告できる。 前にもやったことがあれば、社内の話も進めやすい。
担当者にとって、選ぶ理由はある。
そして、代理店にとっても。
何を変えれば成果につながるか、まだ答えが出ていない。 でも、来月の提案は出さなければいけない。
そんなとき、キャンペーンは提案書の一枠を埋めてくれます。
だから、企業だけを笑える話ではありません。
その提案は、誰の何を解決しようとしているのか。
ユーザーに参加する理由をつくっているのか。 商品に触れる機会をつくっているのか。 それとも、報告する側が少し安心するためなのか。
同じ企画でも、ここは随分違います。
04.次の抽選までに、何が残るか。
私たちは、フォロワー数を増やすためのプレゼントキャンペーンを、運用の頼みにはしていません。
増えた数字を見ても、その先の成果につながる理由が見えなければ、提案する意味が薄いからです。
もちろん、商品を試してもらうなど、目的と設計が噛み合う企画まで、一括りに否定するつもりはありません。
ただ、反応が鈍くなるたびに抽選を始めるなら、一度考えたい。
キャンペーンが終わったあと、そのアカウントには何が残るのか。
次もまた、何かが当たるのを待つ人たちなのか。 それとも、その企業の発信を見たい人たちなのか。
抽選には締め切りがある。
運用は、その翌日も続いている。
