SNSでイベントを知る。 気になる場所を見つける。 誰かの動画を見て、行ってみたくなる。

私たちは、そういうきっかけをつくる仕事をしています。

でも、その人に過ごしてほしい時間は、画面の中だけにはありません。

現地へ行く。誰かと会う。食べる。歩く。 映像ではわからなかった音や、空気に触れる。

SNSで見つけたあと、スマホをしまって楽しむ時間がある。

SNSに少し疲れていても、情報を得るためにまた開く。その感覚を考えていると、私たちが届けたいものも、改めて見えてきます。

もっと動画を見てもらうことに加えて、その先で、どんな時間を過ごしてもらえるか。

イベントや観光の発信では、特にそこを考えたいと思っています。

01.画面で見えるのは、その場所の一部。

動画では、場所の魅力を短い時間で届けられます。

景色を見せる。人の様子を映す。 料理や、その場でできることを紹介する。

行ったことのない場所を知るには、よい入口です。

一方で、現地で過ごす時間には、動画に収まりきらないものがあります。

歩いている途中の会話。 何もせずに眺めていた景色。 隣にいた人と、同じものを見たこと。

目立つ場面ではなくても、その日の記憶に残ることがあります。

私たちは発信をつくるとき、映像として見せやすいものに目が向きます。仕事として、そこを探す必要もあります。

ただ、撮りやすい魅力と、実際に過ごしたときのよさが、いつも同じとは限らない。

画面で伝えられることを考えながら、その外にある時間も想像しておきたいと思っています。

02.写真を撮ったあとにも、時間は続く。

イベントや観光の仕事では、写真や動画を撮りたくなる場所が、知ってもらうきっかけになります。

誰かの投稿を見て、別の人が興味を持つ。その広がりには価値があります。

ただ、現地に来た人の時間は、撮影で終わるわけではありません。

撮ったあと、そこで何を楽しめるか。 一緒に来た人と、どう過ごせるか。 もう少し居たいと思えるか。

発信された写真だけでは、その部分は見えにくいこともあります。

私たちも、紹介する場面を考えるときに、見た目だけで選ばず、そこで過ごす様子まで見せたい。

景色を大きく映すのか。 その景色を眺めている人を映すのか。

同じ場所でも、見た人が想像することは変わります。

自分がそこにいるところを思い浮かべられる。誰かと行ったら、こんな時間になりそうだと思える。

そういう伝え方を考えたいと思っています。

03.人と過ごす時間まで、届いてほしい。

SNSに疲れているからといって、スマホを閉じれば、それだけでよい時間になるわけではありません。

SNSで人とつながることもある。 離れた相手と、会話できることもある。 その便利さは、私たちも日々使っています。

そのうえで、同じ場所にいて、同じものを見ながら過ごす時間には、別のよさがあると感じます。

話そうと決めていなかったことを話す。 相手の反応を見て、もう少し聞いてみる。 帰り道に、その日のことを振り返る。

イベントや観光の発信で紹介しているのは、場所や催しだけではなく、そうした時間のきっかけでもあるのだと思います。

日本の418人を21日間追った研究では、デジタル利用と幸福感・孤独感の関係を考える際に、対面でのコミュニケーションに使う時間も重要だと示唆されています。SNSを使うこと自体の影響だけでは捉えきれず、その時間がほかの活動とどう関わるかを見る必要がある、という視点です。

これを、SNSをやめたほうがよいという話にするつもりはありません。

私たちが考えたいのは、SNSが、その人の一日の中で何につながるかです。

「SNSで見つけた先に、画面には収まらない時間がある。」

04.SNSを、出かけるきっかけに。

広告の反応を見る。動画の再生を見る。 どの表現が興味を持ってもらえたかを考える。

その仕事をしながら、私たちは、見た人が現地で過ごす時間にも目を向けたいと思っています。

発信だけで、その体験をつくれるわけではありません。

会場の内容や運営、現地での案内、受け入れる人たちの仕事がある。その中で私たちは、SNSの領域を担っています。

だから、実際に何を楽しめるのかを知り、発信で生まれる期待とつなげる。

きれいな映像を見せたあとに、その人がどんな時間を過ごせるかまで考える。

SNSに疲れていても、気になる場所を見つけるために開くことはある。

そのときに、出かけたくなるきっかけを届けられたらと思います。

友人を誘う。 予定を決める。 現地に着いたら、スマホをしまう。

そして、そこで過ごす。

私たちがSNSで届けた情報が、そんな一日の入口になればうれしいです。