再生数は、分かりやすい数字です。
1万回より10万回。 10万回より100万回。
数字が大きい方が、いい動画に見えます。
SNSのレポートでも説明しやすいし、 投稿した側も「伸びた」と実感しやすい。
私たちも、再生数を見ます。
ただ、それだけで動画の良し悪しを決めることはありません。
その動画は、何のためにつくったのか。
新しい人に知ってもらうためなのか。
商品を理解してもらうためなのか。
保存して、あとから思い出してもらうためなのか。
サイトへ来てもらうためなのか。
目的が違えば、見る数字も変わります。
見えている数字が、成果のすべてではありません。
01.再生数は、いちばん見えやすい。
ショート動画では、とにかく再生数が目に入ります。
InstagramでもTikTokでもYouTubeでも、 動画の下には大きな数字が並びます。
だから、いつの間にか、
「再生された動画=いい動画」
になりやすい。
でも、例えば、
10万回再生されて、商品についてほとんど伝わらなかった動画。
1万回の再生でも、商品を理解して、保存して、サイトまで来てもらえた動画。
どちらがいい動画なのかは、 再生数だけでは決められません。
そもそも、この二本は同じ目的の動画ではないかもしれない。
数字を比べる前に、 何をさせるためにつくった動画なのかを見る必要があります。
02.伸びることと、伝わることは違う。
アルファノートは2026年7月22日に、 縦型ショート動画を活用しているSNSマーケティング担当者154名を対象に調査を行い、 8月18日に結果を公開しています。
72.7%が、縦型ショート動画の活用について 「期待以上」または「ある程度」の効果があったと回答しています。
そして、効果があったと回答した112名に 具体的な効果を複数回答で聞いたところ、
最も多かったのは 「商品・サービスの理解促進」56.3%。
「SNSでの視聴数・視聴維持率の増加」55.4%、 「認知度・知名度の向上」44.6%、 「自社サイトへのアクセス数の増加」32.1%。
「コンバージョン数の増加」は20.5%でした。
この数字だけで、 「ショート動画はCVに弱い」と言いたいわけではありません。
活用企業だけを対象にした自己申告調査ですし、 実測値による比較でもありません。
ただ、ひとつ面白いのは、
企業がショート動画から得ているものは、一種類ではない
ということです。
再生される。
知ってもらう。
理解してもらう。
検索する。
サイトへ行く。
買う。
それぞれ違う段階です。
全部を「再生数」という一つの数字だけで評価する必要はありません。
03.同じKPIで、競わせない。
私たちは、ショート動画を全部同じKPIで競わせない方がいいと考えています。
例えば、
新しい人へリーチするための動画。
商品やサービスを理解してもらうための動画。
同じショート動画でも、役割が違います。
リーチを取りにいく動画なら、
どれだけ新しい人へ届いたか。 冒頭で止まってもらえたか。 どこまで見てもらえたか。
そういう数字が重要になります。
一方で、理解や信頼をつくる動画なら、
保存されたか。 シェアされたか。 プロフィールやサイトへ進んだか。 どんなコメントや質問が生まれたか。
別の数字を見た方がいいことがあります。
もちろん、これは完全に二種類へ分けられるという話でもありません。
一つの動画が、 リーチも取れて、理解もつくることもあります。
それでも、
役割の違うCreativeを、再生数だけで競わせない。
これは大事だと思っています。
04.アルゴリズムに伸ばされるものだけを、つくらない。
2026年8月に公開された 「Content Depth Matters in Short-Video Recommendation」という研究があります。
15万本の短尺動画を使ったベンチマークで、 13種類の推薦モデルを評価し、 認知的な深さが浅いコンテンツを推薦する傾向が確認されています。
ただし、この研究は査読前のプレプリントです。
InstagramやTikTokの実際の推薦アルゴリズムを 直接検証した研究でもありません。
なので、
「InstagramやTikTokは浅い動画を優遇している」
と断定してはいけません。
私たちがこの研究を見て考えたのは、 もっと単純なことです。
瞬間的に注意を取ることだけを最適化すれば、 Creativeも当然そこへ寄っていきます。
強いフック。
短い説明。
すぐ理解できる構成。
それが必要な動画もあります。
でも、それだけをつくり続ける必要はありません。
知ってもらうための動画と、 理解してもらうための動画。
どちらも必要です。
05.見えている数字の、その先を見る。
再生数は見ます。
リーチも見ます。
保存も見ます。
クリックも見ます。
数字を軽視するつもりはありません。
むしろ、数字はかなり見ます。
ただ、
なぜその数字になったのか。
その数字のあとに何が起きたのか。
誰に届いたのか。
何が伝わったのか。
次の行動につながったのか。
そこまで見ないと、 Creativeの評価を間違えることがあります。
見えている数字が、成果のすべてではない。
100万再生には、100万再生の価値があります。
でも、1万再生の動画に、 その会社にとってもっと大きな価値があることもあります。
再生された動画が、いい動画とは限らない。
いい動画かどうかは、
何のためにつくったのか。
そこから決まると、私たちは考えています。
