「Meta広告のターゲットは誰ですか?」
広告を始めるとき、ほぼ必ず出てくる質問です。
年齢。
性別。
地域。
興味関心。
もちろん、私たちも考えます。
でも、最初に決めたターゲットだけを、最後まで信じ続けることはありません。
広告を出してみる。
誰が見たのか。
誰が反応したのか。
誰がサイトへ来たのか。
誰が買ったのか。
その結果を見ながら、「この人たちは、もしかすると顧客になるかもしれない」という層を見つけていく。
広告は、決めた人へ届けるだけではなく、見込み客を発掘するためにも使えると思っています。
01.ターゲットは、最初から分かっているとは限らない
まだ顧客像がはっきりしていない商品で、「30〜39歳の女性、この興味関心、この職業」と、配信前から細かく決め切る。
それで成果が出ることもあります。
けれど、その条件の外にいる人が買う可能性を、最初から閉じてしまうこともあります。
人間が考えた顧客像は、仮説です。
実際の顧客は、こちらの想像どおりに並んでいるとは限りません。
だから私たちは、比較的広い層へ届けるところから始めることがあります。
そこで見たいのは、広く配信できたという事実だけではありません。
広告への反応を通して、どんな人たちが、どんな内容に足を止めたのかを見るためです。
02.広告は「当てる」だけではなく「見つける」ためにも使える
広告を見た。
少し興味を持った。
動画を見た。
Instagramで反応した。
Webサイトへ来た。
商品を見た。
問い合わせた。
購入した。
行動が進むほど、その人が顧客になる可能性について、こちらが持っている情報は増えていきます。
もちろん、これは個人を特定して、一人ずつ追いかけるという意味ではありません。
Meta上の反応や、Meta Pixel、Dataset、Conversions APIなどを通じて受け取れるイベントを、利用できる設定と同意の範囲で、オーディエンスや計測のシグナルとして扱うということです。
私たちが見ているのは、属性だけではなく、行動の差です。
最初に描いた人物像へ広告を当て続けるより、実際に生まれた反応から、次に届ける相手と内容を考える。
広告は、そのための発掘装置にもなります。
03.売上キャンペーンだけで、広告設計は終わらない
Metaの広告オークションは、選んだcampaign objectiveとperformance goalに関係する行動を起こす可能性が高い人を探します。
売上が目的なら、Sales objectiveは重要です。
実際、最初からSalesで十分に成果が出る商品もあります。すでに購入データがあり、需要も分かっていて、Webサイトが購入を受け止められるなら、手前のキャンペーンを無理に増やす理由はありません。
一方で、まだ認知が少ない商品や、検討期間が長い商材では、いきなり購入だけを取りに行くより、広告への接触や反応から見込み客の母集団をつくった方が考えやすいことがあります。
Metaには、Awareness、Traffic、Engagement、Leads、Salesなどのobjectiveがあります。動画視聴のperformance goalも、目的に応じてAwarenessやEngagementで利用できます。
どれを先に使うかは、決まっていません。
商品、予算、既存の認知、保有データ、コンバージョン量、Webサイトの状態で変わります。
私たちにとって大事なのは、キャンペーンを何段にしたかではなく、それぞれに何を探してもらい、その反応を次の判断へどう使うかです。
04.動画を見た人、反応した人、サイトへ来た人
たとえば、比較的広い層へ、商品の存在を伝える動画を届ける。
その中から、動画をある程度見た人、Instagramで反応した人、Webサイトへ来た人、商品ページを見た人など、実際に行動した層を見ていく。
そして、より関心が見える層へ、商品の違いや購入理由を伝える別のクリエイティブ、あるいはSales広告を届ける。
購入、問い合わせ、商談のデータが増えたら、その事実を次の新規顧客の発掘にも生かしていく。
これは、私たちが取り得る設計の一例です。
認知、動画視聴、サイト訪問、リターゲティング、購入という順番を、すべての案件に当てはめているわけではありません。
反応の母数がほとんどない段階で、リターゲティングの予算だけを増やしても、届けられる相手は増えません。
反対に、十分な母数があるなら、購入や問い合わせに近い場所へ予算を寄せることもあります。
固定の比率ではなく、どこに対象者がいて、どこで動きが止まっているのかを見ます。
05.Custom Audienceは、接触の深さを分けて考えるために使う
Meta公式では、顧客リスト、Meta PixelやSDKによるWebサイト・アプリのデータ、Meta上でのengagementなどをもとにCustom Audienceを作成できると案内しています。
Webサイトを訪れた人の中でも、特定の商品ページを見た、カートへ進んだといったイベントをもとに、再び広告を届ける設計ができる場合があります。
ただし、私たちは「一度広告を見た人を、全員追いかける」という考え方では使いません。
動画を見た人には、続きを知りたくなる話をする。
商品ページまで来た人には、比較するときに必要な材料を出す。
一度検討した人には、思い出す理由をつくる。
購入済みの人や既存顧客を、同じ獲得広告から外したい場面もあります。ただし、Advantage+ではsuggestionと、配信を広げないaudience controlsの扱いが同じではありません。Meta公式は、Advantage+ audienceの厳格な条件として、最低年齢、地域、言語、Custom Audience exclusionsを案内していますが、利用できる項目はキャンペーンやアカウントの設定に応じて確認します。
接触したか、していないかだけではなく、どんな行動があったのか。その深さによって、広告の役割を変えていきます。
06.広告は、一回で売らなくていい
すべての広告に、その場で購入や問い合わせを求める必要はないと思っています。
まだ知らない人に、存在を伝える広告。
一度動画を見た人に、商品の違いを伝える広告。
サイトまで来た人に、購入する理由を伝える広告。
一度検討した人に、もう一度思い出してもらう広告。
役割は、それぞれ違います。
もちろん、一度の広告接触で買われる商品もあります。必ず複数回の接触が必要だという話ではありません。
広告一本のCPAだけでなく、広告全体で見込み客との接点をどうつくっているかを見る。
売る広告だけに役割を集中させないことで、まだ顧客だと分かっていない人との関係が見えることがあります。
07.Advantage+時代に、細かく決めすぎない
Advantage+ audienceでは、広告主が入れた年齢、性別、興味関心、Custom Audienceなどをsuggestionとして優先しながら、成果が見込める場合は、その外側も探索します。
Advantage+ sales campaignsは、Salesキャンペーンのaudience、配置、予算などにAIによる最適化を適用する、現在の名称です。
人間側が「この人だけ」と細かく決め続けるより、Metaへ良いシグナルを渡し、機械学習に探索させた方がよい場面があります。
でも、Advantage+へ任せれば、設計がいらなくなるわけではありません。
何を目的にするのか。
どの行動を成果として返すのか。
購入後や商談後のデータを、どこまで計測と最適化へつなげられるのか。
ここを人間側が考えなければ、Metaは企業にとっての正しい顧客を知ることができません。
前の記事で書いた、「Meta広告は、最適化するほど間違えることがある。」という話は、ここにつながっています。
重要なのは、Metaに誰を探してもらうかだけではありません。
Metaが判断するために、どんなシグナルを持っているかです。
08.上流の数字を、ゴールにしない
動画再生単価が安い。
CPCが安い。
Engagementが多い。
それ自体は、悪いことではありません。
ただ、動画視聴者をたくさん集めること自体がゴールではない。
Trafficでサイト訪問を増やすこと自体も、購入や問い合わせを目的にしている広告の最終成果ではありません。
その人たちの中から、その後、商品を見たのか。問い合わせたのか。買ったのか。
そこまで見て、初めて、上流の広告が何をつくったのかが分かります。
ターゲットは、設定欄の中だけにいるわけではない。
安い動画再生やクリックを集めることと、見込み客を発見することは、同じではありません。
途中の数字を、最終成果と混同しない。
これは、広告を段階で考えるときほど忘れたくないことです。
09.私たちは、ターゲットを決めるより、見つけていく
最初から完璧なターゲットを、人間が知っているわけではありません。
Metaも、企業にとっての正しい顧客を、最初から知っているわけではありません。
広告を配信する。
反応が生まれる。
サイトへの訪問や問い合わせが生まれる。
購入が生まれる。
そのたびに、「誰が顧客なのか」について持っている情報が、少しずつ増えていきます。
ターゲティング精度を上げるという言葉だけでは、この感覚を言い表せません。
私たちは、最初に決めた人へ正確に当て続けることより、実際の反応から、まだ知らなかった見込み客を発見することを大事にしています。
ターゲットは、最初から完璧に決めるものではない。
広告を動かしながら、見つけていくものだと思っています。