「Meta広告のフリークエンシーは、何回くらいが適正ですか?」
よく聞かれます。
3回。
5回。
7回。
いろいろな数字を見かけます。
私たちも、Frequencyを見ています。
でも、「5回を超えたから多い」という見方は、ほとんどしません。
大事なのは、広告を何回見たかだけではなく、その先で何が起きているかだからです。
1回の接触で問い合わせる人もいる。
何度か見てから購入する人もいる。
もっと長く比較して、予約や応募をする人もいる。
だから私たちは、「何回が正しいか」を先に決めるより、接触が増える中で成果がどう動いているかを見ようとします。
01.「Frequencyは3回が適正」とは考えない
Frequencyが低ければ良い。
高ければ悪い。
そんなに単純ではありません。
広告でいうCVは、購入だけではないからです。
問い合わせ。
資料請求。
予約。
来店。
応募。
会員登録。
案件によって、人が「動いた」と考える地点は違います。
すぐに判断できる商品と、社内で検討してから問い合わせるサービスでも、必要な時間は違う。
ある案件では少ない接触でCVが生まれ、別の案件では何度か接触したあとに動きが生まれることがあります。
どちらかが正しいわけではありません。
適正なFrequencyを、案件を見る前に一つの数字で決めることはできないと思っています。
02.Frequency 5でも、全員が5回見たわけではない
Meta公式は、Frequencyを、人が広告を見た平均的な回数として説明しています。
ここで大事なのは、平均だということです。
Frequencyが5でも、すべての人が5回ずつ見たという意味ではありません。
ある人には1回、別の人には数回、さらに多く届いた人もいる。そんな分布の結果として、平均が5になることがあります。
Meta Ads ManagerのFrequencyだけを見ても、その内訳までは分かりません。
また、7日間で見たFrequencyと、30日間やキャンペーン全期間で見たFrequencyは、同じ条件の数字ではありません。
期間が長くなれば、同じ人への表示が積み重なる余地も増えます。
昨日の7日間と、今日の30日間を並べて、増えた、減ったとは判断できない。
私たちは、期間を揃えたうえで変化を見ます。
03.「何回目でCVしたか」は、Frequencyだけでは分からない
では、Frequencyが分かれば、「3回目の広告表示で問い合わせた」「8回目で購入した」と言えるのか。
標準のFrequency指標だけでは、そこまでは分かりません。
Frequencyは対象期間の平均であり、一人ひとりの接触順序を示すレポートではないからです。
Metaでは、設定されたattributionの条件に沿って広告成果がレポートされます。PixelやConversions APIなどから送られるWebサイト、アプリ、オフライン等のイベントは、計測やattributionに利用できる場合があります。
ただ、それは、最後に表示された広告が必ずCVの原因だったと証明することとは違います。
広告以外の接点もある。
以前から商品を知っていたかもしれない。
誰かの紹介や検索が、判断を後押ししたかもしれない。
私たちが知りたいのは接触回数別の傾向ですが、標準レポートで確認できる範囲と、推測になる範囲は分けます。
「何回見た人が動いたのか」を考えることと、「n回目の表示が原因だった」と断定することは、同じではありません。
04.何回見せたかより、その先で何が起きたか
Frequencyが上がっている。
そのとき、一緒に見たいものがあります。
CVは続いているか。
CPAは許容できるか。
CVRは崩れていないか。
問い合わせの質や商談、売上はどうなっているか。
Frequencyが高くても、案件ごとの最終成果が維持されているなら、その数字だけで広告を止める理由にはならないことがあります。
長く検討し、何度も比較し、タイミングが来てから動く人もいます。
だから、一定回数を超えた人には、もう広告を見せる意味がないとも機械的には考えません。
一方で、接触が増えてもCVが減り、CPAやCVRも悪化しているなら、何かが変わった可能性があります。
Frequencyは答えではありません。
変化を疑うための材料の一つです。
05.母数に対して、予算が大きすぎることもある
同じオーディエンスへ、一定期間、広告を配信し続ける。
対象となる母数は小さい。
そこへ大きな予算を入れる。
すると、新しい人へ届けられる余地が減り、同じ層への接触が増えていくことがあります。
Meta公式も、広告配信ではobjective、budget、duration、audienceなどが関係し、より広いaudienceはオークションが配信し、結果を観察して最適化する機会を増やすと説明しています。
Frequencyが上がったとき、クリエイティブだけが原因とは限りません。
オーディエンスの母数に対して予算が大きい。
配信期間が長い。
対象者の追加が少ない。
そんな構造も考えます。
もちろん、母数がこの人数なら予算はいくら、という固定式はありません。
商品、目的、期間、配信面、競合、成果の出方が違うからです。
私たちは、Frequencyだけを下げるために予算を落とすのではなく、母数と予算の関係が、いま起きている成果にどう影響していそうかを見ます。
06.高いFrequencyと、クリエイティブ疲弊は同じではない
Frequencyが高い。
だから、クリエイティブが枯れた。
これも、すぐには結びつけません。
クリエイティブの疲弊を疑うなら、接触回数とともに、CTR、CPC、CVR、CPA、CV数、そして案件ごとの下流成果の変化を見ます。
Frequencyの上昇と同時に、CTRが下がった。CPCが上がった。CVRが落ちた。
それらが一緒に起きていれば、同じ表現への反応が弱くなった可能性を考えます。
ただし、同時に起きたことだけで、原因だとは断定できません。
競合が増えたのかもしれない。
季節や需要が変わったのかもしれない。
Webサイト側に変化があったのかもしれない。
新しいクリエイティブを加えたあとに成果が戻るかを見ることも、確かめ方の一つです。
広告を何種類用意し、いつ差し替えるかは、また別の設計になります。
07.広告を変えるのは、回数をリセットするためではない
1か月経ったから変える。
Frequencyが5を超えたから変える。
私たちは、期間や回数だけでは決めません。
反応が落ちた。
CVが落ちた。
新しい訴求を試したい。
同じ層へ、別の判断材料を届けたい。
見込み客の段階が変わった。
クリエイティブの疲弊を疑っている。
広告を変えるなら、何のために変えるのかを考えます。
前の記事、「Meta広告は、ターゲットを決めるより、見つける。」では、広告への反応から見込み客を発見していく話を書きました。
見つけた人たちに、同じものを何度も届けるのか。
接触の深さに合わせて、別の情報を届けるのか。
接触回数だけでなく、同じ人たちに何を見せるかも、広告を考える材料になります。
08.AwarenessのFrequency controlは、すべての広告にあるわけではない
Meta公式のAwareness objectiveでは、reachやimpressionsを増やすperformance goalに加え、average frequencyやfrequency capに関する説明があります。
到達人数を広げたいのか、一定期間に複数回届けたいのか。Awarenessでは、その目的に関係する設計ができます。
ただし、このcontrolがSales、Leads、Traffic、Engagementなど、すべてのobjectiveで同じように使えるという意味ではありません。
利用できるperformance goalや設定は、objectiveやconversion locationなどによって異なります。
だから、Frequencyを見ているからといって、いつでも同じ方法で上限を設定できるとは考えません。
設定の有無より先に、そのキャンペーンで何を成果として探しているのかを確認します。
09.適正なFrequencyは、案件の中で見つけていく
Frequencyを低くすることが、目的ではありません。
高くすることが、目的でもありません。
広告が何度か届いた先で、問い合わせたのか。
購入したのか。
予約したのか。
応募したのか。
動かなかったのか。
その結果を見ながら、予算を変える。母数を広げる。クリエイティブを変える。そのまま続ける。
選択肢を考えます。
回数ではなく、その先で起きたことを見る。
「Frequencyは何回が正しいですか?」
私たちは、その質問に、数字一つでは答えられないと思っています。
適正なFrequencyは、配信前に決めるものではない。
案件の中で、成果との関係を見ながら見つけていくものです。