企業から商品の説明を聞くと、魅力は一つではありません。

味もいい。 価格もいい。 機能もある。 場所もいい。 つくり手のこだわりもある。 キャンペーンもやっている。

どれも間違っていないし、どれも伝えたい。

でも、SNSのCreativeをつくるとき、私たちが考えているのは、それを全部入れるか、削るかだけではありません。

企業が伝えたいことと、見る人が知りたいことは、同じとは限らない。

まずそこから考えます。

01.情報が多いから、悪いわけではない。

情報を詰め込みすぎると、動画が弱くなる。

そう言い切ることはできません。

たとえば、「この店のいいところ10個」のように、魅力を次々とテンポよく見せるCreativeが強いこともあります。

むしろ、たくさんあること自体が企画になることもある。

問題は情報量ではありません。

その情報を、誰が、誰に向けて、どう伝えているか。

同じ商品の魅力でも、あるインフルエンサーが伝えるから届くものもあれば、別の人が伝えても届きにくいものがあります。

一つの動画の中で、いろいろなターゲットに向けた魅力が混ざれば、何を見せたいのかが曖昧になることもある。

だから、単純に「情報を減らしましょう」とは考えていません。

02.企業の言葉が増えていく。

一方で、完成したCreativeを見てから説明を足していくと、難しくなることがあります。

「この特徴も入れてほしい」 「この説明も必要です」 「この言い方に変えてください」

一つひとつには理由があります。

ただ、それが積み重なると、普段インフルエンサーが使わない言葉が増えたり、説明する時間が長くなったり、最初につくった流れが変わったりする。

いわゆる、嫌な意味でのPR臭が出ることがあります。

私たちは、これが必ず数字を悪くするとは思っていません。

修正したCreativeの方が結果として伸びる可能性だってあります。

Creativeは、出してみなければ分からないことが多い。

それでも経験上、「SNSとしては少し弱くなるかもしれない」と感じる修正はあります。

そのときは、クライアントにもその可能性を伝えます。

03.何のために、先に構成をつくるのか。

私たちは、撮影する前にオリエンシートを確認し、構成をつくります。

そこでクライアントに確認してほしいことは、かなりシンプルです。

事実情報が間違っていないか。

そして、

今回伝えたい訴求ポイントに触れているか。

もちろん細かな調整はします。

でも、構成を確認したあと、動画が完成してから新しい説明を何度も足していけば、最初に構成をつくった意味が薄くなっていきます。

ポスターではありません。 LPでもありません。 CMでもありません。 特集番組でもありません。

SNSです。

すべてを一つのCreativeで説明し切る必要はありません。

04.クライアントの言うことを、聞きたくないわけではない。

ここは誤解されたくないところです。

私たちは、クライアントから修正が来たからといって、「SNSが分かっていない」と突っぱねたいわけではありません。

むしろ、実際にはかなり受け止めます。

担当者と何度も調整したあとでさらに修正が入るなら、その背景には社内の確認や、上長からの指示があることも分かっています。

企業には企業の事情があります。

だから、必要な修正はする。

ただ、その修正によってCreativeがSNSから離れていく可能性があるなら、それも伝える。

そしてインフルエンサーには、こちら側の事情で何度も直してもらうことになる。その申し訳なさもあります。

この間に立つことも、私たちの仕事だと思っています。

伝えたいことと、知りたいことは違う。

05.伝えたいことを、知りたい形へ。

商品について一番詳しいのは、クライアントです。

何がすごいのか。 何を大切にしているのか。 何を間違えてほしくないのか。

そこは、私たちよりずっと知っています。

一方で私たちは、その魅力をSNSでどう届けるかを考えています。

全部入れることもある。 一つに絞ることもある。 インフルエンサーによって変えることもある。 同じ商品でも、切り口を変えることもある。

決まった正解はありません。

ただ一つ、ずっと考えているのは、

こちらが伝えたいことは、見る人が知りたいことになっているか。

企業の言いたいことを削るためではなく、 ちゃんと届かせるために。

その間を調整することが、私たちの役目だと考えています。