インフルエンサーを何人起用するか。
Creativeを何本つくるか。
広告へ、いくら使うか。
これらを、別々に決めているわけではありません。
最初に考えるのは、何を達成したいのか。
誰へ、どのくらい深く届けたいのか。
そして、そのために使える予算はいくらなのか。
一人へ大きく依頼することもあります。
複数人と、異なる角度のCreativeをつくることもあります。
インフルエンサーの起用費より、広告費の方が大きくなることもあります。
決まった人数も、決まった比率もありません。
ただ、NISHIMURA & Co.では、インフルエンサー投稿を公開して、オーガニックの結果だけを待つ設計は基本的にしません。
投稿してから、広告を考えるわけではない。
誰に依頼するかを決める段階から、そのCreativeをどう届け、どう反応を見て、何を伸ばすかまで考えています。
01.誰を選ぶかだけでは、施策は終わらない。
前の記事では、インフルエンサーをどう選ぶかについて書きました。
オーガニックで届けるのか。
広告Creativeとして広げるのか。
それによって、見るべき強さは変わります。
ただ、誰を選ぶかが決まっても、施策は終わりません。
次に決めることがあります。
何人起用するのか。
Creativeを何本持つのか。
広告へいくら振るのか。
どのCreativeを、誰へ届けるのか。
配信後の反応を、どう次の施策へ返すのか。
一人の強いインフルエンサーへ依頼し、本人のフォロワーへ投稿を届ける。
それも、一つの設計です。
複数人を起用し、異なるCreativeをつくり、広告で反応を確かめる。
それも、一つの設計です。
どちらが正しいかではありません。
案件の目的によって、組み方が変わります。
私たちが決めたいのは、最も強い一人ではありません。
選んだ人たちと、どう施策を組めば目的へ近づけるかです。
02.最初に決めるのは、人数ではない。
最初から「今回は5人にしよう」と決めるわけではありません。
インフルエンサーの起用費と広告費を、固定の比率で分けることもありません。
まず考えるのは、目標と予算です。
何を達成したいのか。
予算はいくらか。
近い相手へ深く届けたいのか。
広く届けることを優先したいのか。
たとえば、全九州規模のキャンペーンと、都市部で開催される展覧会と、百貨店の期間限定イベントでは、同じ予算でも組み方が変わります。
近い相手へ深く届けたい案件では、商品や企画と強く合う人を1〜2人起用することがあります。
一方で、規模は大きくなくても、相性の合う人を10人程度起用することもあります。
大きい人を一人選ぶことが正解なのでも、小さい人を十人選ぶことが正解なのでもありません。
誰へ何を届けたいかによって、必要な人数もCreativeの持ち方も変わります。
広く届けたい案件では、広告費を大きく取ることがあります。
実際に、総予算が約300万円の案件で、
強い人を2人。
中規模や通常クラスの人を3人。
広告費を約200万円。
そのように組むことがあります。
インフルエンサーの起用費より、広告費の方が大きい設計です。
ただし、これは一つの案件であり、固定比率ではありません。
総予算が300万円なら広告へ200万円を使う、というルールはない。
毎回、目的と予算から組み直します。
NISHIMURA & Co.で、広告なしでよいと判断することは、ほとんどありません。
結果として広告を実施しないことはあります。
その最大の理由は予算です。
一番も予算。
二番も予算。
三番も予算。
そのくらい、広告を入れる価値は感じています。
同時に、使える予算を超えてまで広告を入れるわけではありません。
だから先に人数や比率を決めるのではなく、目標と予算のバランスから、施策全体を設計します。
03.インフルエンサーの人数は、Creativeの数でもある。
人数を増やす理由は、フォロワー数や想定リーチを足すためだけではありません。
まず、Creativeは多い方がいいと考えています。
一つの商品でも、見せ方は一つではありません。
若年層へ向けた見せ方。
ファミリー層へ向けた見せ方。
日常の中に商品を入れるVlog風。
参加したくなるチャレンジ企画。
過去の自社施策や他社施策で成果が良かった企画の考え方を応用する。
Instagramに合う見せ方。
TikTokに合う見せ方。
同じ商品でも、角度を変えれば、違うCreativeになります。
最近はInstagramとTikTokの両方で発信しているインフルエンサーも多いため、媒体ごとに必ず別の人を起用するわけではありません。
一人と複数のCreativeをつくることもあれば、複数人と異なるCreativeをつくることもあります。
重要なのは、人数そのものではありません。
その人数で、どのくらい異なる角度を試せるかです。
インフルエンサーの人数は、届ける人数ではなく、試せるCreativeの数でもある。
複数人を起用するのは、誰かが伸びなかったときの保険を持つためだけではありません。
異なる人と、異なる角度のCreativeをつくる。
広告で実際の反応を見る。
その中から、強いCreativeを見つける。
人数を増やすことは、届ける力を足すことでもあります。
同時に、試せる仮説を増やすことでもあります。
04.強い人と、相性の合う人を組み合わせる。
広く届けたい案件では、強いインフルエンサーと、それ以外の人を組み合わせることがあります。
強い人を起用する理由は、その人の既存フォロワーへ届くことだけではありません。
その人のCreativeが広告として流れたとき、
「あ、この人は見たことがある」
と、目を止めてもらえる可能性があります。
いい意味でも、悪い意味でも、認知されている顔そのものがフックになることがあります。
もちろん、有名であれば広告でも必ず強いわけではありません。
認知度が高ければ、成果が出るわけでもない。
私たちが強い人を選ぶときは、動画制作の上手さも見ています。
広告として流れてきたときに目を止められるか。
商品が自然に入っているか。
本人を知らない人にも、内容が伝わるか。
強い人には、フォロワー規模だけではない役割があります。
一方で、規模が大きくない人にも、別の強さがあります。
商品との親和性。
動画制作の上手さ。
そして、こちらが試したい企画へ一緒に乗ってくれるか。
たとえば、チャレンジ企画を試したい。
Vlog風のCreativeをつくりたい。
過去に成果の良かった型の考え方を、今回の商品へ応用したい。
そのとき、企画の意図を理解し、一緒につくってくれる人は重要です。
インフルエンサーを、投稿枠としてだけ見ているわけではありません。
Creativeを一緒につくるパートナーとして見ています。
強い人だけを並べるのでもない。
規模の小さい人だけを多く集めるのでもない。
それぞれにどんなCreativeをつくってもらい、施策の中でどんな役割を持ってもらうか。
そこまで考えて組み合わせます。
05.投稿してから、広告を考えるわけではない。
NISHIMURA & Co.では、オーガニック投稿の結果が悪かったときだけ、広告を追加するわけではありません。
広告は、失敗したときの保険ではない。
最初から、施策の一部です。
オーガニック投稿は重要です。
本人のフォロワーへ自然に届き、その人が普段つくっているコンテンツの流れの中で商品を知ってもらえる。
広告とは違う価値があります。
ただ、オーガニック投稿が本人の通常平均よりどこまで伸びるかには、Creativeの質だけでは読み切れない部分があります。
その結果だけに、施策全体を委ねる理由はありません。
広告を使えば、狙いたい層へ届けられます。
リーチやインプレッションを増やせます。
LPへの流入規模を大きくできます。
アカウントのフォロワー増につながることもあります。
その場で購入しなかった見込み客を、アカウント側へ残せることもあります。
そして、Creativeごとの反応を取得できます。
実務上、リーチ単価で見ても、広告の方が効率的になるケースは多くあります。
もちろん、媒体、ターゲット、時期、Creativeによって変わるため、広告の方が必ず安いという話ではありません。
それでも、事前にシミュレーションすると、広告を入れた場合と入れない場合で、リーチ、インプレッション、LP流入の規模が大きく変わる案件があります。
その数字を見れば、「インフルエンサー施策なのに、起用費より広告費の方が高い」ことは、特別な問題ではありません。
起用と広告を別の施策として考えていないからです。
最初から広告まで含めて、
Creativeをつくる。
配信する。
反応を見る。
強いものを伸ばす。
その学びを次の企画へ返す。
そこまでを、一つのインフルエンサー施策として設計しています。
06.配信したら、人ではなくCreativeを見る。
起用する前は、その人を見ます。
普段の投稿。
フォロワーとの関係。
商品の親和性。
動画制作の上手さ。
企画への協力度。
認知されている顔が、広告上のフックになるかどうか。
ただし、広告を配信した後は、インフルエンサー本人の知名度だけで判断しません。
Creative単位の数字を見ます。
動画の維持率はどうか。
CPCはどうか。
実際に見ている人、反応している人はどの年代か。
案件の目的によっては、CVなどの最終的な数字も見ます。
維持率だけで決めるわけではありません。
CPCだけで勝ちCreativeを決めるわけでもない。
それぞれの数字は連動しています。
見るべき指標も、案件の目的によって変わります。
ここで知りたいのは、単に誰の投稿が一番再生されたかではありません。
どのCreativeが、誰に反応されたのかです。
強い人のCreativeより、規模の小さい人とつくったCreativeの方が、広告では反応されることもあります。
反対に、「見たことがある」という認知がフックになり、強い人のCreativeが止められることもあります。
配信する前に仮説は持ちます。
しかし、配信後まで人の知名度や事前評価に引っ張られる必要はありません。
実際の反応が出たら、Creativeを見る。
そこから、次に伸ばすものを判断します。
07.一発で当てるより、当たったものを伸ばす。
若年層へ向けてつくったCreativeが、実際には40代から強く反応されることがあります。
そのとき、すぐに「ターゲティングに失敗した」とは考えません。
まず確認するのは、なぜ若年層を狙っていたのかです。
若年層へ届けること自体に、明確な意味がある案件なのか。
それとも、若年層が反応するだろうという仮説を置いていただけなのか。
40代へ届いても、商材として問題がない。
案件の目的にも反していない。
それなら、実際に生まれた反応をそのまま伸ばすことがあります。
反対に、若年層へ届けること自体が案件の目的なら、Creativeや配信を修正します。
想定と違ったことが、失敗なのではありません。
そのズレが、案件の目的に対して問題なのか。
判断するのは、そこです。
最初から、正解の一人と正解の一企画を完璧に当てることを前提にはしません。
複数人と、複数の角度からCreativeをつくる。
広告で、実際の反応を見る。
当たったCreativeがあれば、そこへ配信を寄せる。
想定と違う反応があれば、その理由を考える。
目的に反していなければ伸ばし、目的に反していれば修正する。
インフルエンサーの人数も、Creativeの本数も、広告費も、そのために設計します。
人を当てる設計ではなく、反応を見つけて伸ばす設計。
私たちは、インフルエンサー施策をそう考えています。
