ポーカーには、最初に2枚のカードが配られます。

AAなら、かなり強い。

けれど、その2枚だけで勝敗が決まるわけではありません。

フロップが開く。

ターンが開く。

リバーが開く。

相手がベットする。

こちらが返す。

ポジションが違う。

スタックも違う。

それまでのプレーによって、自分が相手からどう見られているかも違う。

相手はいつも人間です。

自分より強いハンドを持っていても降りることがあるし、自分の方が弱くても相手を降ろせることがあります。

逆に、プリフロップでは最高に見えたAAが、ボードが開くにつれてほとんど勝てないハンドになることもあります。

最初の2枚は大事です。

でも、それだけでは何も決まりません。

仕事も、少し似ていると思っています。

01.正解が分かる前に、決める

仕事では、必要な情報が全部揃ってから判断できることの方が少ない気がします。

予算。

時期。

人。

競合。

市場。

クリエイティブ。

クライアント。

ユーザー。

その日の空気。

いろいろなものが動いている中で、それでも決めなければならない。

もう少し待てば、もっと情報が増えるかもしれません。

でも、待っている間に状況が変わることもあります。

ポーカーでも、すべてのカードが見えてからベットすることはできません。

まだ分からない状態で、

コールするのか。

レイズするのか。

降りるのか。

決めます。

正解が分かる前に、決める。

大事なのは、怖がらないことでも、強気でいることでもないと思っています。

今ある情報の中で、どちらの可能性が高そうかを考える。

そして、決める。

外れることもあります。

02.試行回数が、判断材料になる

では、その判断は何を頼りにするのか。

私たちの場合、かなり大きいのは、これまでやってきた仕事です。

似た案件を以前やったことがある。

去年の同じ時期に同じような施策をやった。

似たターゲットで広告を配信した。

このクリエイティブは伸びた。

これは伸びなかった。

このインフルエンサーとは以前こういう結果になった。

この予算なら、このくらいだった。

一つひとつは、ただの過去の仕事です。

でも数が増えると、次に何かを決めるときの材料になります。

ポーカーでも似ています。

この人はさっきのハンドで何をしたか。

このサイズのベットをするときはどうだったか。

自分が強いハンドを見せたあと、相手はどう反応しているか。

一つのプレーだけなら分からなくても、見ている回数が増えると少しずつ材料が増えていきます。

もちろん、同じ状況は二度とありません。

過去に成功したから、次も成功するとは限らない。

それでも、

何もないところから考えるより、判断できることは増えます。

私たちが「実績」を大事にしている理由も、たぶんここにあります。

会社案内に並べるロゴの数というより、

次の判断をするときに参照できるものが、どれだけ残っているか。

私たちにとっては、そちらの方が大きいのかもしれません。

03.何でも参加すればいいわけでもない

だからといって、全部やればいいわけでもありません。

ポーカーで毎回参加していたら、いくら判断がうまくても難しくなります。

弱いハンドを全部プレーする必要はない。

ポジションもあります。

相手もいます。

スタックもあります。

参加しない方がいい場面は普通にあります。

仕事も同じだと思います。

全部の案件をやる。

全部の媒体を使う。

全部の新しいツールを試す。

全部のトレンドに乗る。

それが正解というわけではありません。

やらないことも判断です。

待つことも判断です。

ただし、

「完璧なカードが来るまで何もしない」ことと、「参加する場面を選ぶ」ことは違う。

ここは、かなり違うと思っています。

勝てるハンドを待つことと、完璧なハンドを待つことは、たぶん違う。

04.それでも最後は決める

数字を見ます。

過去の事例も見ます。

最近の似た仕事も見ます。

去年の同じ時期も見ます。

人も見ます。

状況も見ます。

できるだけ材料を増やします。

それでも最後には、

やるのか。

やらないのか。

どちらでいくのか。

決めなければなりません。

そこから先は、誰かが正解を教えてくれるわけではありません。

そして、その判断が正しかったのかどうかも、すぐには分からないことがあります。

だから、やった結果をまた残す。

うまくいったことも。

うまくいかなかったことも。

それが次の判断材料になる。

そうやって試行回数が増えていく。

そして、その蓄積を持ったまま、今日も決めている。

最初の2枚だけでは、まだ何も決まらない。

ポーカーも、仕事も、そういうものだと思っています。